精神科医療現場で隔離や身体拘束を実施する際、法的・医学的な根拠となるのが行動制限適合判定基準である。指定医は患者の自傷他傷の危険性、あるいは病状の著しい増悪リスクを慎重に見極めた上で、最小限の範囲・期間で行動制限を指示しなければならない。
しかし、判定基準がどれほど精緻化されようとも、現場の苦悩が消えるわけではない。突発的な暴力や自己破壊行動に対峙する看護師や医師にとって、精神科保護室への隔離は自分自身と患者の命を守るための切実な防衛策でもあるからだ。現場の看護師は打ち明ける。「基準が厳しくなること自体は当然です。ですが、深夜の夜勤帯にわずか数名のスタッフで激しい興奮状態の患者に対応しなければならない時、理想と現実のギャップに押し潰されそうになります」。