夫妻がかつて暮らしていた旧居も、十分な広さを持つ注文住宅でした。それにもかかわらず、巨額の資金を投じて完全な新居建設へと踏み切った最大の動機は、子どもたちのライフステージの変化にありました。2007年に誕生した長女・希空(のあ)さんをはじめとする4人の子どもたちが思春期・成長期を迎え、従来の居住空間では物理的なキャパシティの限界を迎えていたのです。
当時のインタビューや夫婦の対談動画を検証すると、辻さんは「子どもたち一人ひとりに、自分の感情を落ち着かせられる個室を与えたい」という切実な想いを語っていました。思春期の女子とやんちゃ盛りの男子3人が健やかに共存するためには、独立した動線とプライベートスペースが不可欠でした。
さらに見逃せないのが、「仕事環境の拡張」です。辻希美さんはトップYouTuberとして日常的に動画を撮影・配信しており、夫の杉浦太陽さんもまた俳優業の傍らフィットネスやアウトドア関連のメディア発信を精力的に行っています。旧居ではリビングの一角やキッチンがそのまま撮影現場となっていたため、生活音の干渉や機材の片付けが常に家族のストレスとなっていました。新居の建設は、「居住空間」と「クリエイティブスタジオ」を完全分離・共存させるための事業投資という側面を持っていたのです。