空手の稽古体系は、大きく「形(Kata)」と「組手(Kumite)」の2本柱で構成されています。一人で仮想の敵を想定して正確な技の軌道や呼吸、立ち方を演武する形に対し、組手は相対する相手と直接対峙し、間合いの攻防やタイミングの駆け引きをリアルタイムで競い合う対人競技です。空手の形と組手の違いについて、日本体育大学武道学科の研究者らは「形が身体操作の普遍的な文法を学ぶ基礎訓練であるのに対し、組手はその文法を不確定要素の高い対人関係の中で即興的に運用する実践応用である」と位置づけています。
組手の歴史的変遷を辿ると、かつては怪我の多さから試合化が困難とされていましたが、昭和中期以降に防具の開発やルール整備が進み、現在では世界的なスポーツ競技へと昇華しました。2026年最新の空手組手競技規定においても、選手の安全確保と公平な判定を両立させるため、接触の強度(コンタクトレベル)や反則基準の厳密化が継続して図られています。
競技としての空手の組手の種類は、大きく分けて以下の3つの形式が存在します。
- ノンコンタクト/ライトコンタクト(伝統派空手):技が当たる直前で止める、または衝撃を与えない軽微な接触のみを認めるポイント制。
- フルコンタクト(極真空手など):手技による顔面攻撃を除き、胴体や下肢への直接打撃によるダメージ(一本・技あり)を競う直接打撃制。
- 防具付き空手(硬式空手・日本拳法など):面や胴プロテクターを着用し、ある程度強い打撃の直撃を認めてポイントを判定するハイブリッド制。