舞の人生に深く関わった二人の男性キャラクター、柏木弘明と梅津貴司。この対極にある二人を演じた目黒蓮と赤楚衛二の存在感は、物語の推進力そのものだった。
航空大学校編で登場した柏木学生を演じた目黒蓮。エリート特有の冷徹なプライドが、舞たち仲間との過酷な訓練を通じて崩れ、人間らしい温もりを獲得していくプロセスを、目黒は抑制の効いたシャープな視線とわずかな表情の揺らぎで見事に表現した。過酷なフライトシミュレーター訓練の撮影前、目黒が計器の操作手順を完璧に頭に叩き込み、一発本番でパイロットの挙動を再現してみせたプロ意識は共演者をも唸らせたという。
一方、舞の幼馴染であり生涯の伴侶となった貴司を演じた赤楚衛二。古本屋「デラシネ」の薄暗い奥で短歌を詠む貴司の佇まいには、どこか世俗を離れた透明感と、根底にある深い慈愛が漂っていた。言葉を紡ぐ苦悩、他者と自分を比較してしまう青さ、そして舞を包み込む静かなまなざし。赤楚の繊細な息遣いがあったからこそ、視聴者は彼らの恋愛を日常の延長線上にある尊い絆として受け止めることができた。