当時、前田敦子が所属していたのは大手・太田プロダクション。対するキンタロー。は松竹芸能の門を叩いたばかりの新人だった。通常、この手のトラブルは事務所同士のピリついた対話によって水面下で揉み消されるか、共演NGという冷徹な判断で幕引きとなるのが業界の通例だ。
しかし、事態は思わぬ方向へ舵を切る。前田本人が番組で「全然怒ってないですし、むしろ公認です」と柔和に微笑み、度量の広さを見せつけたのだ。事務所側も大人の対応を貫き、禁忌とされたパロディはいつしか公認のエンターテインメントへと昇華されていく。芸能界のパワーバランスを覆した、極めて稀有な瞬間だった。