悠仁親王のお名前の正しい読み方は「ひさひと」です。一般的な漢字表記である「悠(ゆう、はるか)」と「仁(じん、ひと)」の組み合わせから、ネット検索や日常会話では「ゆうじん」「はるひと」と誤読されるケースも散見されますが、戸籍を持たない皇族の身位を記録する『皇統譜(こうとうふ)』には、明確に「ひさひと」というふりがなで登録されています。
皇室の男子には代々「仁(ひと)」の字を名前に用いる習わし(通字=とおりじ)があります。今上天皇の「徳仁(なるひと)」陛下、秋篠宮文仁親王の「文仁(ふみひと)」さま、上皇さまの「明仁(あきひと)」さまに連なる伝統を継承しつつ、頭文字に選ばれたのが「悠」でした。
2006年9月12日、命名の儀において父である秋篠宮さまが熟考を重ねて決定されたこの文字には、中国の古典『詩経』や『陶淵明』の詩などに通じる、悠久の広がりと穏やかさが込められています。当時の宮内庁関係者の証言によると、秋篠宮ご夫妻は「ゆったりとした気持ちで、長く久しく生きてほしい」という切実な親心をこの2文字に託されました。世継ぎの誕生を強く渇望していた当時の社会情勢やメディアの喧騒から、皇子を精神的に守りたいという親心の吐露でもありました。
また、皇族個人の持ち物や身の回りの調度品に記される「お印(おしるし)」には「高野槇(こうやまき)」が選定されています。和歌山県の高野山に多く自生する日本固有の常緑針葉樹であり、風雪に耐えながら天に向かってまっすぐに太く育つ姿が特徴です。「大きく、まっすぐに育ってほしい」という願いは、まさに現在、学業と公務の両面で着実な成長を遂げられている悠仁さまの歩みと重なっています。