案内状に「平服でお越しください」と書かれていた場合、日常着やカジュアルな普段着で行ってよいと解釈するのは、日本の冠婚葬祭マナーにおける最大の誤解です。
儀礼の場における「平服」とは、「正礼服や準礼服(喪服)を着る必要はありませんが、儀式にふさわしいきちんとした格好(略礼服)で来てください」という主催者側の配慮の言葉です。したがって、男性はダークグレーや濃紺のスーツ、女性は落ち着いたトーンのワンピースやセットアップを着用するのが平服指定のマナーにおける正解となります。
また、年月の経過とともに変化する法事の服装マナーにも注意が必要です。一般的な仏教儀礼の目安は次の通りです。
- 通夜・告別式・四十九日・一周忌:遺族・参列者ともに「準礼服(ブラックフォーマル)」を着用。
- 三回忌:遺族は準礼服を維持。参列者は略礼服(ダークスーツ)でもマナー上問題なしとされるケースが増加。
- 七回忌以降:施主側も略礼服へと移行し、身内のみで落ち着いたダークトーンの平服に落ち着くのが一般的。
「法事だから何でも良い」わけではなく、回忌が進むにつれてフォーマルの格式を一段ずつ下げていくというグラデーションが存在します。