東京都中央区日本橋兜町に位置する坂本町公園は、単なる近隣公園の枠を超え、都市再生のシンボルとして脚光を浴びています。その背景には、土地が持つ重厚な歴史と、現代の都市計画が見事に融合した空間設計があります。
坂本町公園のルーツは極めて古く、1889年(明治22年)に日本初の「市街地小公園」として開設された由緒ある歴史を誇ります。関東大震災後の復興事業を経て、長らく兜町で働く人々の休息の場として親しまれてきましたが、施設の老朽化と周辺環境の変化に伴い、中央区による大規模なリニューアルプロジェクトが実施されました。
再整備にあたって掲げられたのは、「水とみどりのネットワーク」の形成です。公園の中央には四季折々の草花が自生するビオトープ池とせせらぎが配され、周囲には柔らかな芝生広場と開放的な木製デッキが広がります。ビル街の谷間にありながら、空の広がりと自然の息吹をダイレクトに体感できるランドスケープデザインが高く評価され、グッドデザイン賞をはじめとする複数の空間デザイン賞でも注目を集めました。