だが、輝かしいキャリアの裏で歯車は静かに、そして決定的に狂い始めていた。2010年代に入り、かつて彼を熱狂的に応援していたファンクラブ会員や有志に対し、「変身ベルトを買い戻すため」「事務所関係の支払いに充てるため」といった名目で多額の金銭を個人的に借り入れ、長期間にわたって返済を滞らせていた実態が次々と表面化したのである。
情報番組の追跡取材によって白日の下に晒された被害総額は数千万円規模に上り、かつてのヒーローが信じてくれた人々に対して見せた不誠実な対応は世間に強烈な衝撃を与えた。「沖一也」というキャラクターの誇りを信じ、何十年にわたり純粋な憧れを抱き続けてきたファンにとって、それは単なる金銭被害にとどまらない精神的裏切りに他ならなかった。この騒動は、特撮ファンダム全体に癒えぬ深い傷痕を残すこととなった。