原作第34巻で描かれたクライマックスにおいて、伝道者一味の筆頭格であるハウメアは仮面を脱ぎ捨て、その素顔と真実をシンラに突きつけました。ハウメアは生まれながらにして人間の集合的無意識を受信するアンテナとなっており、四六時中、見知らぬ人々の嫉妬、憎悪、卑屈な情念を頭の中に流し込まれ続けていたのです。彼女が常に冠で目を覆い、狂気的な振る舞いをしていたのは、その精神の濁流から自我を守るための防衛反応でした。
ハウメアは伝道者と同化し、「人類は自ら絶望を望んでいる」としてシンラを追いつめます。これに対し、弟のショウ、そして焔ビトとなっていた母・マリの魂と融合し、神の如き力を得たシンラは「森羅日象(シンラバンショウ)」へと変貌を遂げました。
シンラが下した決断は、単に伝道者を力で殴り倒すことではありませんでした。「死が恐ろしいから絶望するのなら、死の価値そのものを軽くしてしまえばいい」という破天荒な発想のもと、シンラは地球を蘇生させ、新たな世界の創造主となります。この結末に対して、連載当時のマガジン読者やSNS(X・旧Twitter)、5ちゃんねる(現5ちゃんねる)の考察コミュニティでは激震が走りました。
当時のファンの生の声としては、「まさか伝道者が倒すべき魔王ではなく、人類全体の弱さそのものだったとは」「ハウメアの動機が悲惨すぎて、ただの悪役として憎めない」といった感情の揺さぶりを訴える投稿が続出。さらに、シンラが命の重みを調整するために「死神様」を生み出し、大久保篤氏の前作『ソウルイーター』の世界へとシームレスに接続した演出には、「伝説的な伏線回収」「少年漫画の枠組みを超えた世界創造」と絶賛の声が溢れかえりました。