彼女の名前を語る上で避けて通れないのが、2004年に放送された昼ドラ『牡丹と薔薇』だ。香世役として見せた常軌を逸した「高慢な悪女」の演技は、全国の視聴者に鮮烈なトラウマと快感を与えた。
「役が一人歩きして街を歩くのも怖かった時期があった」と後に語るほど、そのインパクトは絶大だった。だが、彼女の本当の凄さは、その強烈なパブリックイメージを恐れず、自らの武器へと昇華させていった柔軟性にある。単なる「美しい悪女」にとどまらず、人間の愚かさや愛おしさをドラマチックに体現できる希有な存在としての礎は、間違いなくこの時代に築かれた。