なぜあれほど巨大な外食チェーンが、看板商品であるポテトの販売を制限せざるを得なかったのでしょうか。マックフライポテト販売休止理由の根幹には、グローバルサプライチェーンの脆さと地政学的・気候的要因が複雑に絡み合っていました。
最大の引き金となったのは、主原料の積み出し拠点であったカナダ・バンクーバー港近郊で起きた大規模な水害と、それに伴う内陸鉄道網の寸断でした。さらに、世界的なコンテナ不足と北米西海岸諸港における労使交渉の長期化が追い打ちをかけ、深刻なマックポテト輸入遅延原因を作り出したのです。
当時、日本マクドナルドが下した決断は、原材料を完全に枯渇させないための苦肉の策でした。それが「マックフライポテトSサイズのみ期間」の設定です。MサイズやLサイズを一時的にストップし、より多くの来店客に少しずつ行き渡らせるための防衛策でしたが、この措置はおよそ1ヶ月近くに及び、結果として「ポテト難民」と呼ばれる社会現象を巻き起こすことになりました。