寒霞渓は、耶馬渓や妙義山と並び称される日本三大渓谷美の屈指の景勝地である。垂直に切り立った断崖絶壁の間を滑るように進むゴンドラからは、「鷹取岩」や「玉筍峰」をはじめとする名勝・奇岩群が直下に迫る。遮るもののない360度の大パノラマは、まるで空中を自在に散歩しているかのような錯覚さえ抱かせる。
季節ごとの表情もきわめて豊かだ。特に秋のシーズンには、山頂から麓にかけてカエデやイロハモミジが濃淡豊かな赤や黄色に染まり、国内屈指の紅葉名所として凄まじい賑わいを見せる。足元に広がる絨毯のような紅葉と、その向こうに輝く穏やかな瀬戸内海の青。この極上の色彩コントラストは、この場所でしか出会えない唯一無二の景色といえる。