家庭菜園のコミュニティやSNS上で最も多く報告されるトラブルが「葉が青々と茂ったのに、秋に掘り起こしたら根っこしかなかった」という現象です。これがいわゆる「つるボケ」と呼ばれる生理障害です。
ネット上では「苗の品質が悪かった」「日照不足がつるボケの主因」といった声が散見されますが、現場の営農データおよび土壌分析が示すさつまいも 失敗 つるボケ 原因の約8割は、人間側の「過剰なお世話(肥料と水のやりすぎ)」にあります。
さつまいもは、過酷な乾燥と低栄養に晒された際に「子孫を残すための貯蔵器官」として根を肥大化させ、芋を形成します。土壌に十分な窒素と水分が存在すると、植物体は「栄養を蓄える必要がない」と判断し、地上部の光合成器官(つるや葉)の拡張にすべてのエネルギーを注ぎ込んでしまいます。
この暴走を食い止め、芋へ養分を集中させるために不可欠な作業がさつまいも つる返し やり方の習得です。夏場(7〜8月頃)になると、伸びたつるの節々から土に向かって「不定根」と呼ばれる細い根が伸び、そこからも養分を吸収し始めます。これを放置すると養分が分散し、芋の肥大が止まってしまいます。
つる返しの手順は極めてシンプルです。節から地面に張った根を地面から引き剥がし、つるを畝の上へ持ち上げて裏返します。葉や茎をちぎらないよう丁寧に持ち上げ、根を外すだけで構いません。梅雨明け以降、2〜3週間に1回の頻度でつるを持ち上げる作業を繰り返すだけで、養分の芋への集中が促進されます。