菅直人元首相の原発対応と真相|東電乗り込み・視察の理由を検証

菅直人元首相の原発対応と真相|東電乗り込み・視察の理由を検証

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事故初期の対応をめぐり、最も世論をミスリードしたのが菅直人 海水注入 中断 デマをめぐる騒動です。

2011年5月、自民党の安倍晋三氏(当時)が自身のメールマガジンで「菅総理が東電に海水注入を止めさせた」「事実上の殺人行為にも匹敵する」と告発記事を発信しました。大手メディアやインターネット空間でこの情報が一気に拡散し、「菅首相の横槍で原子炉冷却が遅れ、爆発につながった」という言説が定着しかけました。

しかし、その後の国会事故調査委員会や政府事故調の調査によって、判明した事実は全く異なるものでした。

実際には、官邸での会議中に「海水注入による再臨界のリスク」について斑目春樹・原子力安全委員会委員長(当時)に技術的確認を行っていただけであり、菅氏自身が「注入を中止せよ」と現場へ直接命令を下した事実は存在しませんでした。東電本店の武黒一郎フェローが官邸の空気を忖度して現場の吉田所長に注入中断を指示したものの、吉田所長は「現場判断で海水注入を継続する」という英断を下し、注入作業は一度も中断されていませんでした。

菅氏は名誉毀損であるとして安倍氏を相手取って民事訴訟を提起。東京地裁および東京高裁、そして最高裁判所において、記事の内容は客観的真実ではないものの「当時は東電の虚偽発表などもあり、安倍氏側が真実と信じる相当な理由があった」として名誉毀損の成立(損害賠償)自体は棄却されたものの、「菅氏が海水注入を停止させた」という事実は明確に虚偽(デマ)であったことが司法の場でも確定しています。

斉藤 蓮
著者

斉藤 蓮

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。