晴れて番組への出演を果たした加藤諒でしたが、当時のスタジオは10歳の子どもにとって戦場そのものでした。MCの明石家さんまは、子ども相手であっても一切の予定調和を許さず、予測不能なボケと鋭利なツッコミをマシンガンのように浴びせかけます。その中で加藤諒の眉毛と独特な表情、甲高い声でのリアクションは、さんまにとって格好の起爆剤となりました。
「お前、その眉毛どないなってんねん!」とさんまに振られれば、困惑しながらも全身を使って全力で応える。時に泣きそうになり、時に大人びたコミカルな仕草を見せる加藤少年のリアクションは、視聴者のお茶の間に強烈なインパクトを残しました。当時の放送作家や関係者の証言を紐解くと、加藤諒は単にいじられて笑われるだけでなく、さんまの言葉のテンポや間(ま)を肌感覚で吸収していたといいます。
テレビ特番や後の同窓会企画でも語られたように、さんまとの共演経験は、彼にとって「笑いとは何か」「間合いとは何か」を学ぶ最高の英才教育となりました。自己防衛のために縮こまるのではなく、恥をさらしてでも相手のパスを全力で打ち返す姿勢は、現在のバラエティ番組や舞台演技における変幻自在なアドリブ力の直接的な土台となっています。