「ポンピングブレーキは不要どころか逆効果」という噂の真相は、「緊急時のフルブレーキングにおいては紛れもない事実」です。
現代の乗用車には、アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)の搭載が義務付けられています。ABSは、急ブレーキ時にタイヤがロックしそうになると、電子制御ユニット(ECU)がミリ秒単位で油圧を制御し、1秒間に数十回という人間には不可能な超高速でブレーキの保持と解除を繰り返すシステムです。
ABSが作動すべき緊急事態において、人間が手動(足動)でポンピングブレーキを行うと、次のような重大なリスクが生じます。
- 制動距離の大幅な増大:ペダルを緩めている間は制動力がゼロになるため、車が止まるまでの距離が確実に伸びます。
- ABSの作動キャンセル:踏み込みが緩むたびにABSの制御がリセットされ、最も効率の良い減速状態を維持できません。
つまり、衝突の危険が迫るパニックブレーキの局面において、人間の足によるポンピングは完全な「悪手」となります。