Q1:スポーツ心臓と病的な心臓肥大は何が違うのですか?
A1:長年の激しい持久系トレーニングに適応して心臓が大きくなる「スポーツ心臓」は、心筋の壁と内腔がバランスよく拡張し、ポンプ機能も極めて良好に保たれます。一方、病的な心臓肥大は負荷によって心室の壁だけが異常に分厚くなったり、収縮・拡張機能が低下したりします。鑑別には心エコー検査による精密な計測が不可欠です。
Q2:健診の胸部レントゲンで心胸比が52%でした。すぐに倒れる危険はありますか?
A2:心胸比52%という数値自体で明日突然倒れる可能性は高くありませんが、心臓に長期間の負担がかかっている兆候です。撮影時の呼吸の浅さなどで見かけ上大きくなるケースもありますが、背景に潜む高血圧や初期の心筋症を排除するため、1ヶ月以内に循環器内科で心エコー検査を受けることが強く推奨されます。
Q3:心臓肥大を治すための特効薬はありますか?
A3:心臓肥大そのものを一瞬で消し去る魔法の単剤は存在しません。しかし、高血圧が原因であれば、アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)やミネラルコルチコイド受容体拮抗薬、SGLT2阻害薬など、心筋の過負荷を取り除きリモデリングを抑制・退縮させる優れた薬剤が確立されています。原因疾患に応じた適切な薬物治療と減塩が根本的な解決策です。