2000年1月にリリースされた椎名林檎の通算6枚目のシングル『罪と罰』は、彼女の初期キャリアを代表する金字塔です。当時、体調不良に苦しんでいた時期に書かれたとされ、歌詞の随所に命を削るような切迫感と生々しさが漂っています。
タイトルの元となったドストエフスキーの小説同様、本作の核心にあるのは「愛することへの罪悪感」と「自らを罰するような激しい執着」です。相手を激しく求めるあまり、自分自身をも傷つけてしまう恋愛の極限状態が、痛烈なリアリティをもって描かれています。単なる別れや悲哀ではなく、人間の脆さとエゴイズムを曝け出したリリックこそが、何世代にもわたって聴き手の胸を抉る最大の理由です。