『Sign』の誕生には、脚本家・北川悦吏子が手掛け、妻夫木聡と柴咲コウが主演を務めたドラマ『オレンジデイズ』の存在が深く関わっています。聴覚を失ったヒロインと、彼女を支える青年の心の交流を描いた物語に対し、桜井和寿は単なる「障害の克服」というステレオタイプな視点を避けました。
当時のインタビューや制作エピソードによると、桜井は「言葉が通じる相手であっても、本当の意味でわかり合うのは難しい」という着眼点から歌詞を膨らませていったとされています。手話という身体的なサインだけでなく、健常者同士の会話に潜むすれ違いや、沈黙の意味に着目したことで、作品はドラマの枠組みを大きく超える普遍性を獲得しました。
メロディラインにおいても、アコースティックギターとストリングスが織りなす温もりあるサウンドが、言葉の持つ切実さを優しく包み込んでいます。2004年5月26日のシングル発売直後からチャートを席巻し、翌2005年9月21日発売のアルバム『I ♡ U』にも収録されるなど、バンドの代表作としての地位を確立しました。