りんごのお酒を選ぶ際、最大の混乱ポイントとなるのが「シードル」と「果実酒・りんごリキュール」の区分です。これらは原料こそ同じりんごですが、製造プロセスと酒税法上の分類が明確に異なります。
シードル(Cidre)は、りんご果汁に酵母を加えてアルコール発酵させた「醸造酒」です。ブドウからワインを造るのと同じ原理であり、炭酸ガスを含むスパークリングタイプが主流となります。アルコール度数は一般的に2%〜8%程度と控えめで、りんご本来のフレッシュな酸味と穏やかな発泡感が特徴です。
一方、一般的なりんご果実酒・りんごリキュールは、ホワイトリカーや中性スピリッツなどのアルコールにりんご果実や果汁を漬け込み、糖分を加えた「混成酒」を指します。アルコール度数は10%〜20%前後が多く、濃厚な甘みとコクを持つため、ロックやソーダ割りで楽しむのが基本です。
さらに、シードルを単式蒸留して樽熟成させたフランス・ノルマンディー地方発祥の蒸留酒がカルヴァドス(Calvados)です。こちらはアルコール度数40%前後の重厚なブランデーであり、食後酒や特別なギフトとして重宝されています。