玉翠楼を語る上で、温泉と並ぶ二枚看板となっているのが名物の「猪鍋(ぼたん鍋)」です。丹沢の山々が育んだ天然の猪肉を用い、秋から冬にかけてはもちろん、年間を通じて滋味あふれるジビエ料理を提供しています。
猪肉と聞くと「硬い」「独特の獣臭がある」といった先入観を持つ方も少なくありません。しかし、同館で提供される猪肉は徹底した血抜きと熟練の下処理が施されており、驚くほど柔らかく、脂身には上品な甘みとコクがあります。煮込めば煮込むほど肉が柔らかくなり、旨味がスープ全体に溶け出していきます。
味の決め手となるのは、代々受け継がれてきた自家製の合わせ味噌です。数種類の味噌を独自比率で調合し、地元の新鮮な根菜類やキノコ、豆腐とともに鉄鍋でじっくり煮込むことで、奥深くまろやかな味わいが完成します。コースによっては、清流で育った鮎の塩焼きや山菜の天ぷら、川魚の洗いが加わり、丹沢の豊かな恵みを余すところなく堪能できます。