日本電産(ニデック)はやばい?激務と後継者難の真相を徹底追及

日本電産(ニデック)はやばい?激務と後継者難の真相を徹底追及

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日本電産(現ニデック)に対して「やばい」という極端な評価がつきまとう背景には、単なるネット上の誹謗中傷にとどまらない、同社固有の歴史と経営体質に起因する5つの決定的な要因が存在します。

第一に挙げられるのが、ニデックにおける激務のパブリックイメージです。創業期から長らく掲げられてきた「情熱・熱意・執念」「知的ハードワーキング」「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」という三大精神は、競合を圧倒する猛烈な労働量を正当化するバックボーンとなっていました。かつて永守会長自らが公言していた「1日16時間労働」「元日午前中以外は年中無休」といった猛烈主義のエピソードが、現在も強烈な残像として語り継がれています。

第二の要因は、度々週刊誌報道などで取り沙汰された日本電産のパワハラ疑惑の真相です。目標未達の幹部に対する創業者の苛烈な叱責や、絶対的なノルマ達成圧力が「恐怖政治」と揶揄される事態を招きました。現場レベルでも上層部の顔色を伺う内向きなプレッシャーが蔓延し、精神的負荷の高さが外部へ漏れ伝わった経緯があります。

第三に、世間の関心を最も集めたのがニデックの後継者問題です。永守氏は外部の大手企業から有力な経営人材を「三顧の礼」で迎え入れては、わずか短期間で降格・追放する人事抗争を繰り返してきました。特に日産自動車の副COOから鳴り物入りで招聘された関潤元社長が、業績未達と株価低迷を理由にわずか2年余りでCEOからCOOへ降格され、最終的に退職へ追い込まれた事態は、国内外の投資家や社員に「創業者なき後の経営が描けない」という根深い不信感を植え付けました。

第四に、日本電産の株価下落と業績の急激な変化です。脱炭素シフトの波に乗り、EV向けトラクションモーター「E-Axle」を次世代の成長エンジンと位置づけましたが、世界最大のEV市場である中国で激しい価格破壊に巻き込まれました。過酷な値下げ競争の結果、多額の構造改革費用やのれん減損を余儀なくされ、収益構造が大きく揺らぎました。

第五に、2023年4月に実施されたニデックへの社名変更の理由を巡る疑念です。同社は「世界市場でのブランド認知統一と10兆円企業への飛躍」を大義名分として掲げましたが、市場の一部では「度重なる騒動や労働環境の悪評がついた『日本電産』の看板をリフレッシュする狙いではないか」と勘繰る声が上がったことも事実です。

前田 葵
著者

前田 葵

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。