芸能界において「地上波のGP帯(ゴールデン・プライム帯)ドラマに出ていない=干された、あるいは引退した」と決めつけるのは、現代の映像ビジネスの構造を見誤った典型的な誤解です。
第一の盲点は、作品の流通プラットフォームの多様化です。現在ではNetflixやU-NEXTなどの定額制動画配信サービスが莫大な制作費を投じてオリジナル作品を手掛けており、映画祭出品を狙う良質なアートフィルムも数多く作られています。テレビの視聴率競争から離れ、じっくりと役柄を掘り下げられる環境を志向する役者にとって、地上波連ドラのみに依存しないキャリア形成はむしろ主流となりつつあります。
第二の盲点は、彼女自身の役者としてのスタンスです。事務所移籍後の彼女は、過剰な露出で消費されるタレント的な道ではなく、長く息の長い表現者としての道を意図的に選択しています。商業主義的なスキャンダルやSNSの炎上マーケティングとは一切無縁の場所で、一作一作のクオリティを研ぎ澄ましているのが実情です。