下痢と鮮血が同時に発生した場合、大腸粘膜で急激な炎症や損傷、血流不全が起きている証拠です。臨床現場において特に頻度の高い主要疾患を整理します。
急激な発症で最も警戒すべき病態の一つが虚血性大腸炎症状です。特に50代以降の女性や便秘傾向のある人に多く見られ、突然の強い左下腹部痛と血便、そして頻回の下痢で発症します。大腸へ血液を送る血管が一時的に痙攣・閉塞して粘膜が虚血状態に陥ることで、激痛とともに鮮血が排出されます。
一方、38度以上の発熱を伴う血便下痢がみられる場合は、細菌性(カンピロバクター、病原性大腸菌、サルモネラなど)の感染性胃腸炎下痢血便が疑われます。生肉の摂取歴や不衛生な飲食の数日後に、強い腹部仙痛と水様性の血便が噴出するのが特徴です。
さらに、20〜30代の若年層を中心に増加しているのが指定難病である潰瘍性大腸炎初期症状です。数週間から数か月にわたり「粘液の混じった血便」「持続する下痢」「しぶり腹(便意があるのに出ない)」が徐々に悪化していく経過をたどります。