記者が金曜日の深夜、歌舞伎町の路上に潜入して見えてきたのは、かつてのイメージとは大きく異なる整然とした、しかし酷薄な集客スタイルだった。路上で大声を出す代わりに、スマートフォンを操作しながら歩く若者に狙いを定める。彼らが使う言葉は極めて丁寧だ。「2,000円飲み放題」「個室空いてます」。その甘い言葉の裏には、巧妙に計算された罠が仕掛けられている。
実際に潜入した店舗では、入店直後にメニュー表が差し替えられ、チャージ料や週末特別料金、さらには「席移動手数料」名目で高額な費用が加算される仕組みになっていた。わずか40分間の滞在で請求された金額は実に18万円。提示された内訳には、注文してもいない高級ボトルの代金すら含まれていた。抗議すると、奧の個室から体格の大きな男たちが現れ、圧迫面接のような威圧感で支払いを強制する。これこそが、今まさに街の裏側で起きているぼったくり被害の生々しい実態だ。