視力検査のCの正体とは?ランドルト環の仕組みと驚きの由来を徹底解明

視力検査のCの正体とは?ランドルト環の仕組みと驚きの由来を徹底解明

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視力検査の現場で日常的に「Cの形」と呼ばれているあのマークの正式名称は、ランドルト環(Landolt ring / Landolt C)です。

多くの人が「アルファベットのCの文字をそのまま流用したのではないか」と考えがちですが、実態は全く異なります。これは文字の「C」ではなく、均一な太さを持つ真円(リング)の一箇所を切り取った幾何学的な図形です。考案したのは、19世紀後半に活躍したフランスの著名な眼科医エドマンド・ランドルト(Edmund Landolt)でした。彼が1888年に発表したこの図形は、その極めて高い測定精度と公平性が認められ、1909年にイタリア・ナポリで開催された第11回国際眼科学会において国際標準視標(世界共通の基準)として正式に採用された歴史を持ちます。

なぜ文字ではなく円の切れ目が採用されたのか。その最大の理由は、言語や識字率、文字の先入観による測定誤差を徹底的に排除するためです。文字のアルファベットを用いた場合、母国語としてアルファベットを使う文化圏とそうでない文化圏で判別の難易度が変わってしまいます。さらに、文字の形状は「A」「B」「C」それぞれで視認性が異なり、「かすかに見えた輪郭から文字を推測できてしまう」という認知バイアスが生じます。あらゆる人種、あらゆる年齢層、文字の読み書きができない幼児や高齢者であっても、等しい条件で純粋な「目の解像力」だけを測定するために、360度均等な円環に切れ目を入れたランドルト環が設計されました。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。