冨樫義博作品の系譜において、カルトは『幽☆遊☆白書』の蔵馬や『HUNTER×HUNTER』のクラピカに通じる「美しくも危険な中性型キャラクター」の極致と言える。艶やかな黒髪に振袖を纏い、口元を扇子で隠すような優雅な立ち振る舞い。その可憐な容姿と、一瞬で相手の首を掻き切る暗殺術のギャップが、世界中のファンを魅了し続けている。
性別に関する曖昧さも彼の神秘性を際立たせる要素だ。公式ガイドブック等では男性と表記されつつも、母親の趣味によって少女のような装いを強いられているという背景は、ゾルディック家という歪んだ家庭環境の犠牲者であることを物語っている。静寂の中に秘められた怒りと凄みが、画面からあふれ出さんばかりの圧力を生み出している。