「天祖(てんそ)」という言葉は、文字通り「皇室・日本民族の祖先神」を意味します。主祭神として祀られているのは、伊勢神宮の内宮(皇大神宮)の主神でもある天照大御神(あまてらすおおみかみ)です。あらゆる生命を育む太陽の神格化であり、国家安泰から個人の開運招福まで、極めて広大な神徳を備えた神として崇敬されてきました。
神社巡りを楽しむ方の間で頻繁に疑問視されるのが、「神明社(しんめいしゃ)」や「神明宮」との違いです。結論から述べると、祀られている主祭神は基本的に同じ天照大御神であり、神道史におけるルーツも伊勢信仰に端を発する同系統の神社です。
社号が分かれた大きな転換点は、明治元年の神仏分離令およびその後の教部省達にあります。江戸時代まで「神明宮」「神明社」あるいは「お伊勢さま」と通称されていた神社の多くが、明治政府による国家神道の再編期に「天祖神社」へと改称を行いました。特に東京府(現・東京都)周辺において社名変更が積極的に進められたため、現在も都内に「天祖神社」を冠する神社が集中しています。