性感染症予防の基本であるコンドームですが、HPVに対しては一定の予防効果を持つものの、完全な遮断はできません。コンドームの予防率の限界は約50〜70%とされています。コンドームで覆われていない陰嚢や外陰部、大腿部などの皮膚同士の接触面からもウイルスが侵入するためです。
また、HPVは「女性特有のウイルス」と誤解されがちですが、男性にとっても深刻な健康課題です。男性のHPVの症状と感染経路を検証すると、男性側が無自覚なキャリアとなってパートナーへ感染を広げるだけでなく、男性自身にも以下のような重篤な疾患を引き起こすことが確認されています。
- 中咽頭がん:近年、喫煙・飲酒を原因としないHPV(特に16型)関連の中咽頭がんが男性を中心に増加傾向。
- 陰茎がん・肛門がん:ハイリスク型の持続感染により発生する悪性腫瘍。
- 尖圭コンジローマ:外性器周辺にイボを形成し、切除後も再発を繰り返しやすい。
男性には子宮頸がん検診のような確立された標準スクリーニングが存在しないため、気づかないうちに感染を保持・媒介してしまうケースが多いのが実情です。