高麗神社の歴史は、霊亀2年(716年)にまで遡ります。かつて朝鮮半島北部に栄えた高句麗からの渡来人を束ね、武蔵国高麗郡の開拓に生涯を捧げた首長・高麗王若光(こまのこきしじゃっこう)が主祭神として祀られています。未開の荒野を豊かな郷へと導いた若光の強力な指導力と開拓精神が、今日の神徳の根底に流れています。
この神社が一躍全国にその名を轟かせたのは、近代政治史における驚くべき一致がきっかけでした。大正から昭和にかけて参拝した政治家の中から、なんと6名もの内閣総理大臣が誕生したのです。
具体的には、鳩山一郎、若槻禮次郎、浜口雄幸、斎藤実、小磯国昭、幣原喜重郎の歴代首相が、高麗神社参拝後に相次いで大命降下を受けました。この驚異的な霊験談が政財界の重鎮やビジネスパーソンへ瞬く間に広がり、「出世明神」としての揺るぎない地位を確立しました。この並外れた出世パワーの凄まじさこそが、時に常人を戦慄させる畏敬の念へと変換されているのです。