小林武史氏が掲げるビジョンにおいて、農業とアートは切り離せない対等な要素です。緑豊かなフィールド内には、現代アートの巨匠・草間彌生氏の代表的彫刻《無限の鏡の部屋 - 魂の輝き》や《新たなる空間への道標》が自然のランドスケープに溶け込むように配置されています。
美術館のホワイトキューブ(無機質な白い展示室)とは異なり、青空や木々のざわめき、土の匂いの中で鑑賞する現代アートは、鑑賞者の感覚をダイレクトに刺激します。さらに名和晃平氏、ファブリス・イベール氏ら国際的アーティストの作品も点在し、敷地全体が広大な野外ミュージアムとして機能しています。
そして、日帰りでは味わえない「夜から朝へと移ろう自然の静寂」を享受できるのが、宿泊施設cocoon(コクーン)です。ファッションブランド「minä perhonen(ミナ ペルホネン)」のデザイナー・皆川明氏がディレクションを担当した繭(まゆ)型のヴィラは、内装のファブリックから家具、照明に至るまで緻密に設計されています。宿泊者限定のファームツアーやディナーコースは、都市生活で疲弊した感性をリセットする贅沢な時間をもたらします。