インターネット上では「ダンスは生まれ持ったリズム感と骨格で決まる」「大人が未経験から始めてもプロ並みにはなれない」といった言説が散見されます。しかし、認知神経科学と運動生理学の観点から見れば、これらは明白な誤解です。
いわゆる「リズム感」の正体は、耳から入った音響情報を小脳で予測処理し、筋肉への出力信号へと変換する神経伝達パターンの熟練度に過ぎません。適切なステップを踏めば、何歳からであっても神経回路の再構築(シナプス可塑性)は起こります。
初心者が陥りがちなもう一つの罠が「筋トレ至上主義」です。ダンスに必要なのはボディビルのような肥大した筋肉ではなく、関節の可動性を邪魔しない「しなやかなインナーマッスルと脱力スキル」です。力任せに踊る悪癖がつくと、動きのダイナミクスが失われ、かえって平坦なダンスになってしまいます。