科学的探求の枠を超え、ビジネスと軍事的関心が複雑に絡み合うのが、巨大ゲノム企業BGIグループを筆頭とするバイオテクノロジー産業の存在だ。広大なデータベースに蓄積される世界中の遺伝情報と、超並列シーケンサーが叩き出す膨大な解析能力は、生命科学のパワーバランスを急速にアジアへと傾かせている。
民間企業と国家の研究機関が一体となったこの巨大エコシステムは、農業用畜産の量産から希少疾患の治療薬開発まで、あらゆる領域でクローン技術の商用化を推進する。国家主導で進められるこの巨大な「生命工場」は、経済利益と引き換えに何を失おうとしているのか。