現場に出て驚くのが、鳶の道具一式が持つ圧倒的な「重さ」です。必要な工具を満載した腰周りの総重量は、実に8kgから重い人で12kg超に達します。ボルトを締め上げる極太のラチェットやクリッパー、高耐久の足場ハンマーなど、1点ずつが数百グラムから1kg近くある金属工具を何点も携帯するため、重量が嵩むのは構造上避けられません。
一日中現場を歩き回り、高所を昇降する足場鳶にとって、腰道具の配置バランスは疲労軽減と腰痛予防の生命線です。基本となるのは「使用頻度」と「重心の左右対称性」を意識したレイアウトです。
利き手側(右利きの場合)のフロントからサイドにかけて、使用頻度が最も高いラチェットレンチホルダー、スケール、水平器を配置します。反対側(左側)には番線を切断・結束するクリッパーやハンマーを差し込み、左右の重量差を均等に整えます。背面の真後ろにはメインの腰袋を据え、予備のボルトやクランプ、手袋類を収納するのが黄金パターンです。背骨の真上に重い金属工具を置くと、万が一の転倒時に脊椎を痛める危険があるため、真後ろには柔らかい布製・革製の腰袋を当てるのが現場の鉄則です。