昭和から令和に至るまで、芸能界で伝説として語り継がれる極貧エピソードの筆頭といえば、俳優の風間トオルだろう。幼少期に両親が不在となり、祖父母とともに暮らした時期の貧困ぶりは凄まじかった。
空腹に耐えかねて近所の公園に生えている雑草を食べ分けたという逸話は有名だ。カマキリのたまごやつくしを口にし、どれが体に害がなく食べられるかを発見していく日々。服を買う余裕もなく、洗濯機もないため、体を洗うついでに自分の体を石鹸で洗っていたというエピソードは、今聴いても耳を疑うレベルだ。
だが、彼は決して運命を呪わなかった。持ち前の端正なルックスと抜群のスタイルを生かしてメンズモデルとして頭角を現すと、瞬く間にトップ俳優へと駆け上がった。壮絶な体験を悲壮感なく笑顔で語るその佇まいこそ、彼が長く第一線で愛され続ける最大の理由と言える。