宇宙漂流のその後について、天文学や物理学の有識者たちの間でも真剣なシミュレーションが重ねられてきた。真空かつ極低温の宇宙空間において、栗まんじゅうの水分は即座に凍結し、分解されることなくそのまま存在し続けると考えられる。
増殖が続けば、開始から数日経たずして観測可能な宇宙の全質量を超える計算になる。重力相互作用によって栗まんじゅう群はやがて自らの質量に耐えかねて重力崩壊を起こし、超巨大ブラックホールを形成するのではないかという説が濃厚だ。つまり、のび太が残したたった1個の和菓子が、最終的には宇宙の相転移を引き起こし、物理法則そのものを書き換えてしまう可能性を秘めているのだ。この破天荒なスケールの大きさに、大人のSFファンほど恐怖とロマンを感じずにいられない。