函館市は歴史的建造物や美しい夜景で知られる日本有数の観光地だが、地元に暮らす人々が天候を気にせず一日中寛げる屋内型コミュニティ空間は決して多くなかった。寒さの厳しい冬でも暖炉の温もりに包まれるこの場所は、地域の生活文化を根底から変えたと言っても過言ではない。
平日の午前中には小さな子ども連れのファミリーが絵本コーナーのキッズスペースに集い、午後には学生やリモートワーカーが思い思いに作業を進める。夕暮れ時になると会社帰りのビジネスパーソンがワインやクラフトビールを片手にカルチャー本を開く姿が見られる。年齢や職業の異なる人々が同じ屋根の下で思い思いの時間を共有する風景は、公共図書館の静謐さと商業施設の活気が絶妙に調和した、新しい時代の都市の広場そのものだ。