最終決戦である「千年血戦篇」のクライマックスにおいて、特にネットの反応や評判で批判が集中したのが、ユーハバッハ戦のあっけない決着劇でした。「未来を改変する力」を持つユーハバッハは、一護の真の卍解「天鎖斬月」を一瞬でへし折るなど、当時のジャンプ作品でも類を見ない絶望感を読者に叩きつけました。
しかしその結末は、石田雨竜が放った能力を一時的に無効化する「静止の銀の矢」が突き刺さり、隙が生まれた一瞬に一護が斬撃を叩き込んで終了するという、極めてスピーディーな幕切れでした。何十話もかけて積み上げられた絶望感に対して決着があまりに唐突だったため、「ユーハバッハの最終決戦が呆気ない」という強い印象を植え付けることになったのです。
さらに読者の消化不良感を加速させたのが、回収されなかった重要設定の数々です。なかでも藍染惣右介の卍解は、物語最大の謎の一つとして長年期待されながらも、原作最終回までに一度も披露されることはありませんでした。ほかにも以下のような重要要素が未消化のまま幕を閉じました。
・霊王の正体と、世界を維持するための残酷な真実の詳細
・浦原喜助、四楓院夜一、朽木白哉、更木剣八ら主要陣の最終決戦後の明確な安否
・浮竹十四郎の神掛(かみかけ)の深層と過去の因縁
・一部死神や滅却師(クインシー)の能力の全容
これら膨大な設定の空白が、連載当時の読者に「描き切れずに終わってしまった」という強い未完感を抱かせる直接的な原因となったのです。