昭和、平成、令和と時代のうねりを越えて続いてきた三国花火大会。最大の見どころは、何と言っても傾斜がついた特殊な台船から花火師が直接海へと投げ込む「水中花火」だ。海面で開く巨大な光の半球体と、体に響く重低音の衝撃波。毎年、北陸三県はもちろん、京阪神や首都圏からも20万人を超える観客が押し寄せる巨大イベントだった。
それだけに、地元・坂井市でのショックは計り知れない。「信じられない。三国の夏はあの花火がないと始まらないし、終わらない」と話すのは、三国港近くで長年老舗の海鮮料理店を営む70代の男性だ。「コロナ禍を乗り越えてようやく活気が戻ってきた矢先だった。まち全体の喪失感が大きすぎる」と肩を落とす。