かつてエンターテインメント界では、メンタルの不調を公表することは禁忌とされていた。「使いづらいタレント」のレッテルを貼られ、仕事が激減することを恐れ、多くの芸能人が症状を隠して薬を飲み込みながら現場に立ち続けていた。
その悪循環に風穴を開けたのが、近年の当事者たちによるオープンな発信だ。人気グループのアイドルやベテランのお笑い芸人、俳優たちが、SNSや会見で自身の病名を明確に明かし、治療のための「ポジティブな休養」を宣言する動きが定着してきた。
無理をして倒れる前に、しっかりと休む。この当たり前の権利を公人が行使し始めたことで、「休養は敗北ではない」という新たな価値観が広がりつつある。業界内でもメンタルケアの専門家を現場に配置する動きが本格化するなど、現場の環境改善に繋がり始めた。