安楽死を表す最も代表的な単語はeuthanasiaです。発音記号は[ˌjuːθəˈneɪziə]であり、カタカナで表記するならば「ユーサネイジア」に近い響きを持ちます。一般の日本人学習者にとって馴染みが薄く、スペルも独特ですが、これは単語の成り立ちが古代ギリシャ語に根ざしているためです。
語源を分解すると、「良い・心地よい」を意味する接頭辞「eu-」と、ギリシャ神話で死を司る神「Thanatos(タナトス)」に由来する「thanasia(死)」が組み合わさっています。つまり、原義は「苦痛のない安らかな死」「良き死(good death)」を指していました。
Weblio実用英語辞典や各種学術資料の定義によると、現代英語におけるeuthanasiaは、極度の苦痛を伴う不治の病に苦しむ患者に対し、人道的見地から苦痛を終わらせる医療的介入を指す公式な専門用語として位置づけられています。一般的な「苦痛のない死(painless death)」全般を指す会話表現とは異なり、極めて客観的かつ制度的なトーンを帯びた名詞です。
しかし、日常会話で「彼は安楽死を選んだ」と言いたいときに、安易に動詞として活用しようとすると不自然な破綻を招きます。英語学習者の間で「I active euthanasia...」といった誤った表現が散見されますが、euthanasiaは基本的に不可算名詞であり、動詞として扱う場合は「perform euthanasia(安楽死を実施する)」や「choose euthanasia(安楽死を選択する)」といったコロケーションを用いるのが鉄則です。