サッカー界に背番号が公式に導入されたのは、1928年8月25日に行われたイングランドのアーセナル対シェフィールド・ウェンズデイ戦が最初とされています。当時の名将ハーバート・チャップマン監督が、観客や審判が選手を瞬時に識別できるように導入したのがきっかけでした。その後、1933年のFAカップ決勝で本格採用され、1954年のFIFAワールドカップ・スイス大会から国際舞台でも義務化されました。
導入初期のルールは極めて合理的でした。当時の基本陣形であった「2-3-5(Vフォーメーション)」をもとに、最後方のゴールキーパーを「1番」とし、右フルバック「2番」、左フルバック「3番」、中盤のハーフバックを右から「4・5・6番」、そして前線のフォワードを右ウイングから順に「7・8・9・10・11番」と並べたのです。つまり、サッカー背番号の歴史と由来は「戦術ポジションの座標」そのものでした。
かつては試合ごとに先発メンバーが1番から11番を着用する「変動背番号制」が主流でしたが、1990年代以降、欧州主要リーグや国際大会で個人の固定背番号制(スカッドナンバー制)が導入されました。これにより、背番号は単なる配置図から「選手個人のアイデンティティ」を宿す特別な記号へと進化を遂げたのです。