「この透明感あふれる声の持ち主は誰なのか」という疑問に対して、音楽関係者や熱心なファンの間で語り草となっているのが、ボーカリスト・安次嶺希和子(あじみね きわこ)さんの存在です。
収録当時、彼女は沖縄県在住の現役女子高校生でした。透き通るようなハイトーンボイスの中に、どこか祈りや哀愁を感じさせる独特の倍音を含んだ歌声は、オーディション段階で制作陣を唸らせ、満場一致でメインテーマの歌唱に抜擢されました。南国の澄み切った空気感を宿しながらも、寒冷な北欧の伝承を想起させる神秘的なボーカルワークは、まさに唯一無二の響きを放っています。
楽曲のプロデュース・作詞・作曲を手掛けたのは、作家・作曲家の砂守岳央氏とキーボーディストの松岡美弥子氏らを中心とする音楽ユニット「未来古代楽団」です。「架空の古代文明や滅びた世界の伝承音楽」をコンセプトに掲げる彼らは、民族楽器の生演奏と緻密なオーケストレーション、先鋭的な電子音を融合させる職人集団として知られています。
砂守氏が紡ぎ出す文学的で余韻に満ちた言葉と、松岡氏の構築美あふれるアレンジメント、そして安次嶺希和子さんの無垢な歌声が奇跡的なバランスで調和したことで、時代風化しないマスターピースが完成しました。