英語の「gang(ギャング)」の語源は、古英語の「gang(歩行、旅、行くこと)」に由来します。かつては単に「一緒に行動する仲間の集まり」や「作業員の班」を指す中立的な言葉でした。これが犯罪者集団を意味するようになったのは、17世紀から18世紀の英国において盗賊や密輸業者の徒党を指す俗語として定着したことが契機です。
20世紀初頭のアメリカにおいて、禁酒法(1920〜1933年)を契機に密造酒ビジネスで莫大な資金を獲得したアル・カポネに代表される犯罪組織が台頭しました。この時代、映画やメディアで脚光を浴びたスーツ姿の重犯罪者たちは「ギャングスター(Gangster)」と呼ばれ、社会を震撼させる存在となります。その後、都市化の進展や貧困層の隔離政策、人種差別などの社会構造の歪みと結びつくことで、都市の街頭を根城とする「ストリートギャング」へと形態を変化させていきました。
米連邦捜査局(FBI)や司法省(DOJ)における組織犯罪集団の定義では、一般的に以下の条件を満たす集団がギャングとして法的に認定されます。
- 3人以上の個人で構成されていること
- 集団共通の識別標識(特定の名称、スローガン、サイン、シンボル、刺青、衣服の色など)を共有していること
- 構成員が相互に組織的連帯を認識し、地域社会に対して威嚇や暴力を伴う違法行為を継続的に行っていること
- 違法行為を通じて組織の勢力維持、資金獲得、縄張りの防衛・拡大を図っていること
単なる不良少年のグループと法的な犯罪ギャングとの境界線は、「継続的な犯罪遂行の意図」と「組織的な暴力の行使」が明確に存在するか否かという点に引かれています。