このビルを語る上で避けて通れないのが、かつて壁面に設置されていたフリーフォールアトラクション「ヤバフォ(Yabafo)」の存在だ。地上約74メートルから御堂筋に向けて垂直落下するという狂気の構想は、開業当時、国内外で大きな話題をさらった。
トラブルにより短期間で営業停止となったものの、今もファサード中央に残るレールとゴンドラの痕跡は、都市伝説的な趣を帯びて人々の記憶に刻まれている。「昔ここで本当に人が落ちていたのか」と見上げる若者や外国人観光客の姿は、いまや日常の風景だ。未完の野望をそのままファサードに抱えた姿こそが、どこか型破りな大阪・ミナミのDNAと奇妙な調和を見せている。