組織で働く以上、個人的な好悪だけで関係を遮断することは難しい。しかし、放置すれば当事者のパフォーマンス低下やメンタルヘルスの悪化に直結する。厚生労働省の「労働安全衛生調査」や民間人材育成機関の追跡調査によれば、職場の退職理由や休職要因の上位には常に「職場の人間関係の不調和」がランクインし、約7割以上の社会人が特定の同僚や上司からの言動に強いストレスを抱えている実態が浮き彫りとなっている。
大手総合商社の人事総務部門に15年以上携わる関係者は、取材に対して次のように現場の過酷な現実を打ち明ける。
「チーム内に1人でも攻撃的・搾取的な人物がいると、周囲の優秀な社員から順番に口を閉ざし、最終的には無言で転職していきます。『大人の対応』として我慢を重ねる真面目な社員ほど、理不尽なプレッシャーを一人で抱え込み、ある日突然限界を迎えてしまうケースが後を絶ちません」
組織内で直面しやすい要注意人物の生態系と、現場で有効性が確認されている実践策を整理したのが下表である。
職場で関わりたくない人への対処法において最も重視すべきは、「相手の人間性を変えようとしない」点にある。他者の性格改造はプロの精神療法士でも困難を極める作業であり、一般の同僚が説得や改善を試みる行為は火に油を注ぐ結果にしかならない。必要なのは是正ではなく、影響力を遮断する防壁の構築である。