園芸店やりんご苗木を取り扱う通信販売において、店頭に並ぶ苗木には大きく分けて「1年生接木苗」と「2〜3年生大苗」が存在します。ここで多くの初心者が「価格が手頃だから」という理由だけで細い1年生棒苗を選び、結実までの長い年月に耐えかねて途中で栽培を放棄してしまうケースが散見されます。
りんごの木が実をつけるまでの年数は、種から育てた実生(みしょう)の場合はおよそ7年から10年以上を要します。一方で、果樹用の台木に品種を接木した市販苗であれば、結実までの年数は3〜4年程度に短縮されます。さらに近年では、樹勢を意図的に抑えて早期結実を促す「矮性(わいせい)台木(M9台やM26台など)」に接ぎ木された苗木が主流となっており、これらを選べば植え付けから2〜3年目での初収穫も十分に現実的です。
苗木選びの現場において、価格の安さだけに目を奪われるのは賢明ではありません。特に家庭での果樹栽培においては、根巻きの状態と幹の太さ(地際直径1.5cm以上が目安)がその後の活着率を決定づけます。根が黒ずんで傷んでいる格安苗は、植え付け後の初期生育で著しく出遅れ、結果として枯死に至る確率が高まるため注意が必要です。