過酸化ナトリウムを扱う上で最も警戒すべき事象が、水や酸性溶液との急激な接触反応です。水滴が触れた瞬間、激しい熱とともに高濃度の酸素ガスが発生し、周囲の可燃物を一瞬で発火・爆発させます。
水との反応を表す過酸化ナトリウムと水の化学反応式は以下の通りです。
$2Na_2O_2 + 2H_2O \rightarrow 4NaOH + O_2 \uparrow$ (発熱反応)
水と反応すると、強烈な腐食性を持つ水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を生成しながら、助燃性の極めて高い純粋な酸素($O_2$)を噴出します。この際に生じる反応熱は局所的に数百℃に達し、触れた有機物や容器自体を焼き尽くす威力を持ちます。
また、希塩酸などの酸と接触させた場合、低温環境下では過酸化水素($H_2O_2$)を生成する反応が進行します。
$Na_2O_2 + 2HCl \rightarrow 2NaCl + H_2O_2$
ただし、濃塩酸を使用した場合や反応温度が上昇した環境では、生成した過酸化水素が自己分解を起こして激しく発熱・発泡し、塩化水素ガスや酸素を急激に放出する危険性があるため、実験室などでの取り扱いには万全の冷却設備と排気設備が義務付けられます。