2026年初頭から、X(旧Twitter)やTikTokで「#芋けんぴチャレンジ」なるハッシュタグが急速に拡散した。動画のパターンは洗練されている。静かな図書室や放課後の教室、あるいは仕事帰りの駅のホーム。甘酸っぱい恋愛ドラマのようなBGMが流れる中、男性役が女性役の髪にそっと手を伸ばす。そこから取り出されるのが、なぜか「芋けんぴ」なのだ。
決定的なのは、その直後の効果音と表情だ。無言のまま口に運び、「カリッ」と心地よい咀嚼音を響かせる。このテンポ感とギャップが、ASMR動画の要素とも合致し、若者の「短い時間で強いインパクトを得たい」という視聴体験に完璧にハマった。言葉による過剰な説明を削ぎ落としたからこそ、言語の壁を軽々と超えてバズを生み出す原動力となった。